こんにちは。
わたしスタイルLABOのacoです。

わたしは3年前の2022年7月6日、脳卒中(左視床出血)で倒れ、右半身付随いわゆる片麻痺と高次脳機能障害という後遺症を負いました。

*当時の様子はこちら「入院闘病記まとめ〜50歳脳卒中で絶賛入院中〜

翌年2023年2月に退院し、それ以降いまもリハビリを続けています。

3年間のリハビリ生活を振り返って、わたしなりに感じたこともあるので、今日は備忘録として書き留めておきたいと思います。

ただし、ここに書くことはあくまでもわたしが3年間のリハビリ生活で自分の体を通して感じたことであり、医学的に正確でない部分が含まれる可能性があります。

脳卒中の後遺症には個人差が大きく、同じ状況が誰にでも当てはまるわけではありません。
その点についてご理解・ご容赦いただければ幸いです。

回復と改善の違いを理解する

脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで脳細胞が壊死してしまう病気です。

一度壊死した脳細胞は残念ながら元通りにはなりません。そのため、発症直後の数か月で見られる大きな変化は「回復」と呼ばれますが、それにも限界があります。

一般的に脳卒中の自然回復期は発症から3〜6か月とされ、それを過ぎると大幅な回復は期待しにくいといわれています(※参考:日本脳卒中学会リハビリテーションガイドライン)。

しかし、ここで誤解してはいけないのは「半年を過ぎたらもう良くならない」ということではありません。

脳には神経可塑性と呼ばれる、新しい神経回路を作る力があります。
シナプスがつながり直すことで、たとえ時間が経っても「改善」していく可能性が残されています。

つまり、脳卒中後のリハビリ(自主リハビリ含む)は半年で終わりではなく、その後も続ける意味があるということです。

わたしがリハビリをやめない理由

わたし自身、発症から3年が経ちましたが、今でも日々「意識して動くこと」が改善につながると実感しています。

片麻痺の身体は代償動作によって「とりあえず動かせる」ようになる場合があります。
たとえば、足を大きくぶん回して歩いたり、足首が内側にねじれる「内反」で歩いたりするなどがわたしにもありました(今も完全にないわけではない)。

健常時の歩き方とは明らかに違うけど、「歩く」という目的は達成しているわけです。

これらは体が生き延びるために選んだ工夫ともいえますが、そのままリハビリをやめてしまえば代償動作が定着し、結果的に非効率な歩き方が「普通」になってしまいます。

もちろん、すべての人に改善が見込めるわけではありませんし、どれくらいの期間で効果が出るかは人によって異なるので、一概にリハビリを続ければ改善が見込めると断言はできませんが。

ただ、退院後に何も考えずにリハビリをやめてしまえば、その後の生活の質は「代償動作のまま」固定されてしまう可能性が高いのです。

また「代償動作」は他の代償を生む危険性も。動きをカバーするための無理な姿勢が、じわじわと別の部分にダメージを与えたり、痛みにも繋がりやすいと聞いています。

代償動作でも「歩ければ問題なし」という考え方も一つの答えですし、それで十分に生活できる人もいます。

ただ、わたしの場合は車の運転ができなくなり、日常の移動は電車やバスが中心です。
今も、自然と1日1万歩以上歩く生活を送っています。

そのため、ぶん回しや内反での歩行は効率が悪く、疲労も大きな負担になりました。

見た目の問題もありますが、それ以上に「体力の消耗」を減らしたいという理由から、代償動作をできるだけ改善したいと思いました。

「意識して動く」こともリハビリ

たとえば、わたしは来る日も来る日も、毎日の歩行で必ず「歩き方」を意識してきました。

この3年間、「どうやったら歩きを改善できるか」考えなかった日は1日もありません

「腰の回旋が足りないな」
「骨盤が後ろに倒れすぎているかもしれない」
「足の振り出しをもっと早めにした方が楽かも」…etc

こんなふうに、自分の歩きを常に観察しながら修正してきました。
一歩一歩について分析し、365日起きている時間はずっとです。

また自分の歩きだけでなく、外に出た時は、道を歩く人の足元を観察しています。

ここまで歩き方を意識する人は、健常者にはほとんどいないでしょう。
いるとしたら、ウォーキング指導の専門家や理学療法士といった専門家くらいだと思います笑

この「意識して観察し実行する習慣」こそが、自主リハビリを継続させる大きな柱になりました。

プロのアドバイスは欠かせない

ただ、自分ひとりだけではどうしても限界があり、努力しても成果が見えない、「スランプ」に陥ることも何度もありました。

そんなときに頼りになったのが、理学療法士さん(PT)です。

信頼できるPTに客観的に見てもらうことで、自分では気づけなかった改善点がはっきりし、スランプを抜け出せたことが何度もありました。

保険診療でも自費リハビリでも、できるだけ同じPTに継続してみてもらうのがおすすめです。
その際は、できれば脳卒中の後遺症について明るい人(知識と経験がある人)が望ましいです。

一番重要なのは相性
そして当たり前ですが、改善を望むなら、「改善に前向きに取り組んでくれる人」。
現状維持でいいと思っているだけのPTさんでは、「見立て」からして違います。

わたしくらい「リハビリを受ける側」としてベテランになると、初めましてでも最初の数分の会話で、どのくらいの実力かわかっちゃいます笑

せっかく、時間とお金と労力を費やすのいですから、効果を最大限に活かしたいですよね。

自分の身体の特徴を理解してくれている信頼できる人に「定点観測」してもらうことが、改善の精度を高めるポイントになります。

リハビリを日常に活かす

保険や自費で受けられるリハビリの時間は限られています。
その時間だけを「リハビリ」と捉え、受け身な考えで終わらせてしまうのはもったいない。

大切なのは、その時間で得た気づきやアドバイスを「日常の中で繰り返すこと」。
結局のところ、リハビリの成果を左右するのは「リハビリ以外の時間」にどれだけ取り組めるかです。

わたしは常にPDCAサイクルを意識してきました。

  • PLAN(どう改善したいか計画する)
  • DO(実際にやってみる)
  • CHECK(変化を観察する)
  • ACT(修正してまた取り組む)

このサイクルを回すことで、少しずつ新しい動きを体に覚え込ませてきました。
これについては以前こんな記事も書いたことがあります。

【リハビリ】週に一回だけで話せるようになる?──子ども英会話とリハビリの共通点

改善には2種類ある

わたしは「改善」には2種類あると考えています。
(あくまで自論ですが)

ひとつは機能改善
これは脳の可塑性によって、シナプスが新しくつながり直し、脳内に新しい回路が構築されることで実現するもの。たとえば、今までできなかった動作が脳の再学習によってできるようになるといった変化です。

もうひとつは習慣化による改善
これは身体の機能そのものが回復したわけではなくても、繰り返すことで「できるように見える」ようになるものです。

たとえばわたしの場合、毎日料理をしています。
発症当初は失敗したり手間取ったりしたことも、繰り返すうちにスムーズにできるようになったことも。
ただしこれは「元通りに動くようになった」のではなく「慣れ」によって成立している部分も大きい。

同じ環境や同じ道具なら問題なくできても、環境が変われば話は別だったりします。

またたとえば「化粧水を顔に塗る」という動作ひとつでも、ボトルがポンプ式からキャップ式に変わっただけで難易度が大きく変わることがあります。

健常のときにはなんでもなかった小さな変化が、障害を抱える今では大きなハードルになるのです。

ただし、新しい環境や新しいチャレンジを必要としない生活であれば、「慣れ=改善」と捉えてもまったく問題はないとも思います。

重要なのは、その人にとって生活がしやすくなるかどうかです。

まとめ

脳卒中で後遺症が残っても、「改善」を目指しリハビリを続けることで、たとえ時間が経っても変化は続きます。

改善は1日1ミリ。
三歩進んで二歩下がるの繰り返し。

それでも3年が経過してなお、改善を実感しています。

  • 回復と改善の違いを理解する
  • 意識して動く習慣を持つ
  • 代償動作をどう捉えるかを自分で選ぶ
  • プロのアドバイスを活かす
  • 日常でPDCAを繰り返す

この5つを意識することで、リハビリは「続ける意味」を持ち続けます。
わたしの体験が、同じ片麻痺でリハビリに向き合う方にとって少しでも参考になりますように。