SNSでよく見る「大きなお世話」リプライ

こんにちは。
わたしスタイルLABOのacoです。

SNS、特にXなんかを見ていると、日常のつぶやきやただ気持ちを吐き出したいだけなんだろうなというポストに対して、「こうした方がいいよ」「それは間違っているよ」とリプライをしているのを時々見かけます。

相手が明確に「教えてほしい」「助けてほしい」とアドバイスを求めているならともかく、そうでない場合は見ていてなんとも言えない気持ちに…。

受け取る側からすると「大きなお世話だな」「押し付けがましい」と感じてしまうことも。

これは、コミュニケーションの“伝え方”にも関係していて、その典型が YOUメッセージIメッセージ です。

YOUメッセージ/Iメッセージとは?

YOUメッセージとは、相手を主語にして批判や評価を伝えるコミュニケーションの方法です。
「あなたは」「君は」といった言い回しから始まり、相手の行動や性格を直接的に指摘する形になります。

わかりやすい例だと、次のようなものです。

  • 「あなたっていつも遅刻するよね」
  • 「あなたが間違っている」
  • 「その考え方はおかしい」

一見すると正しいことを言っているように見えますが、言われた相手はどう感じるでしょうか。

多くの場合、「責められている」「否定された」と感じ、防衛的になってしまいます。結果として、建設的な対話よりも対立を生んでしまうのです。

Iメッセージは、自分を主語にして気持ちや考えを伝える方法です。
「わたしは」「わたしにとって」といった言葉で始まり、自分の感情やニーズを率直に伝えます。

先ほどの遅刻の例なら、次のように置き換えることができます。

  • 「遅刻されると、わたしは待っている間に不安になる」
  • 「一緒に過ごす時間を大切にしたいから、時間通りに来てくれると嬉しい」

このように表現すると、相手を非難せずに自分の気持ちを伝えられるし、相手も責められたり否定されているわけではないので、受け入れやすくなります。

YOUメッセージとIメッセージの違い

違いを整理すると、次のようになります。

項目YOUメッセージIメッセージ
主語あなた(相手)わたし(自分)
内容評価・批判感情・ニーズ
相手の反応防衛・反発受け入れやすい

SNS上で「こうした方がいい」「それは間違っている」と書き込むのはYOUメッセージ。
相手の気持ちを想像せずに断定的に伝えてしまうので、どうしても押し付けがましく聞こえがちです。

一方で、「わたしはこういうやり方をしてみたら楽になったよ」と伝えるなら、Iメッセージになります。
相手の自由を奪わず、自分の体験をシェアする形なので、読み手は参考として受け取ることができるのです。

SNSのように、直接顔が見えない相手に対して、しかも文章だけのコミュニケーションになるとニュアンスまではなかなか伝わりにくいですよね。
なので、対面でのコミュニケーションに比べ、より一層の配慮が求められます。

Iメッセージの落とし穴

ここで注意したいのは、Iメッセージに見せかけたYOUメッセージです。

例えば「わたしはあなたのせいでイライラする」という言葉。
一見「わたし」を主語にしているのでIメッセージのように思えますが、実際には「あなたのせいで」という責任転嫁が含まれています。

つまり「あなたが悪い」と相手を責めているため、結局はYOUメッセージになってしまうのです。

このような表現は、相手に「攻撃された」「責任を押しつけられた」と感じさせ、防衛的な反応を招きやすくなります。すると対話はかえってこじれてしまうことに。

Iメッセージの本質「自分の感情を率直に伝えること」
相手をコントロールしたり、罪悪感を与えるためのテクニックではありません。

たとえば先ほどの例なら、「わたしは待たされると不安になる」「わたしは時間を守ってもらえると安心できる」と言い換えることができます。
これなら相手を責めずに、自分の感情をそのまま伝えられますね。

大事なのは「誰のせいで」ではなく、「自分がどう感じたか」「どうしてほしいのか」にフォーカスすること。

ここを意識することで、Iメッセージは相手との信頼関係を深める伝え方として生きてきます。

アドラー心理学とIメッセージのつながり

「YOUメッセージよりもIメッセージを」という考え方、わたしの学んだアドラー心理学ともつながっています。

アドラー心理学には大きく3つのポイントがあります。

課題の分離
人は「自分の課題」と「相手の課題」を混同しがちです。
「あなたは〜すべき」と伝えるYOUメッセージは、相手の課題に踏み込んでしまう言い方。
一方「わたしはこう感じる」と伝えるIメッセージは、自分の課題にとどまる表現で、課題の分離に沿った伝え方になります。

共同体感覚
アドラーは「人が幸せを感じるのは、共同体(社会)の一員だと感じられるとき」と言いました。
YOUメッセージは相手を責めたり仲間外れにするように響きがちですが、Iメッセージは自分の気持ちを共有する形なので「一緒に考えよう」という関係性を作りやすくなります。

勇気づけ
アドラー心理学の中心にあるのは「勇気づけ」です。
YOUメッセージは相手のやる気をそいでしまう「勇気くじき」につながりやすいですが、Iメッセージは相手を尊重しながら気持ちを伝えるので、結果として相手を勇気づける関係につながります。

Iメッセージは単なる「言葉のテクニック」ではなく、アドラー心理学の勇気づけの実践にもつながるコミュニケーション術です。

SNS時代だからこそ必要なコミュニケーション術

SNSでは文字だけのやり取りになるため、表情や声のトーンといった情報がありません。
その分、言葉の選び方やより慎重な伝え方が必要になります。

アドバイスをしたいときでも、「〜すべき」「〜は間違っている」というYOUメッセージで書くと、相手を追い詰めるように伝わってしまいます。

代わりに、「わたしはこうしたら楽だった」「こういう考え方もあるよ」というIメッセージに変えるだけで、相手にとって受け取りやすい言葉になります。

もちろんリアルなコミュニケーションでも言われて嫌なことは言わない、されて嫌なことはしない。これはコミュニケーションの基本のキ。

さらにSNS時代のコミュニケーションでは、顔の見えない相手とのやり取りになるので、察するチカラがや相手を慮る優しさ、つまり「想像力と思いやり」が求められます。

「言葉はナイフにも毛布にもなる」
わたし自身、このことを心に留め、忘れずにいたいと思います。