わたしの病名は「左視床出血」
こんにちは。わたしスタイルLABOのacoです。
わたしは2022年7月、今から3年ほど前に「左視床出血」という病気を経験しました。
いわゆる脳卒中と呼ばれる病気の一種ですが、脳卒中といってもいくつか種類に分かれ、脳出血・脳梗塞・くも膜下出血などが挙げられます。
その中で、わたしの患った視床出血は、「脳出血」に分類されるものです。
脳にダメージを受けたことで、さまざまな後遺症を負うことになりました。
倒れた時のエピソードはこちら↓
後遺症としては、ダメージを受けたのと反対側に出る麻痺や(わたしの場合は右片麻痺)、目に見えない高次脳機能障害(記憶障害や注意障害、遂行障害、軽い失語症など)があります。
また、この「視床」という部分は、感覚や痛みのコントロールに深く関わっている場所でもあることから、「視床痛(ししょうつう)」という、脳が原因の痛みにも常に悩まされるようになりました。
今回は、「視床痛ってなに?」という基本的なことから、わたしの症状、そして今後実施予定のアンケートについてお話しします。
視床痛とは?
視床痛(ししょうつう)は、視床という脳の深部の感覚をつかさどる部分が損傷したことで生じる慢性的な痛みです。
医学的には「視床性疼痛(ししょうせいとうつう)」「中枢性疼痛(ちゅうすうせいとうつう)」と呼ばれることもあります。
特徴としては、以下のような症状が挙げられます。
(全て個人差あり)
- ヒリヒリ、ビリビリ、ピリピリといった焼けるような感覚
- 触れていなくても常に痛みを感じる
- 痛みとともに激しいしびれや違和感もある
- 寒さや疲れ、ストレスなどで悪化する
- 光、紫外線、風、香辛料などの刺激にも反応する
視床痛は、怪我をした部位の痛みとは違い、「脳が感じてしまっている痛み」なので、原因を取り除くのがとても難しいとされています。
脳卒中と視床痛の関係ーどれくらいの人がなるの?
ここで、わかっているデータを少しだけ紹介します。
- 日本では、年間約28万人が脳卒中を発症。
- そのうち、約15〜20%が脳出血に分類される。
- 脳出血の中で、視床出血は約30〜40%を占めるとされている。
- 視床出血になった人のうち、およそ5〜10%が視床痛を発症するとも言われている。
- すべての脳卒中患者を母数にした場合、視床痛が出るのは全体の1〜3%程度と見られる。
とはいえ、データにはばらつきがあり、医療機関や研究によって数字が異なることも。
わたしの体感ではもっと多いような気もするのですが…。
多分、妊婦の時に同じ妊婦さんが目についたり、杖をつくようになって、街中の杖ユーザーが意外と多いと感じるのと同じ原理でしょうね。
視床痛は目に見えないけど、X(SNS)でつぶやいてるユーザーさんに、目が行きやすいからだと思います。
ともあれ、視床痛はまだよくわかっていない痛みであるのは間違いないようです。
わたしの症状と薬について
わたしの場合、左視床出血ですから、体の右半身に痛みとしびれが続いています。
頭のてっぺんからつま先まで、常にヒリヒリ、ビリビリ、ピリピリ……。
経験したことのない痛みではありますが、例えるなら、ひどい日焼けのあとに触れた時のような火照る痛み。
あるいは、火傷に近い感じ。と言えばわかりやすいでしょうか。
人によっては「剣山で刺されているよう」「線香で焼かれているよう」と表現する人もいるようです。
わたしも、日によって痛みの質や強さが違います。
特に強いときには、日常生活にも支障が出て、からだ自体の動きに影響することも。
なので、現在はプレガバリンという神経性疼痛の薬を最大量服用しています。
劇的な効果はないのですが、「10割ある痛みを8割に減らす程度の効果がある」と言われており、「たしかに少しは軽くなるかな」と思える程度。
それでも、飲んで少し経つと、調子の悪いときもなんとか1〜2時間は稼働できるので、薬なしではやっていけないのが現実です。
情報が足りない。だからこそ「声」を集めたい
こうした視床痛について、自分でもいろいろ調べてみましたが、
驚くほど当事者に関する情報が少ない。
「これで本当に合ってるのかな?」
「ほかの人も同じようなことを感じてるのかな?」
そう思って、SNSで当事者の声を探したり、記事を読んだりしました。
でも、視床痛当事者の声はとても限られていて、情報の少なさを痛感。
メディカル系の記事や医療系の人が書いたブログは、それなりにあるものの、どうもリアルな声を反映していないと感じました(わたしが探しきれなかっただけならすみません)
アンケート実施について(近日中)
そこで今回、「脳卒中後の痛み・しびれ」に関するアンケートを実施してみようと。
視床痛に限定すると、回答が少なくなってしまうかもしれないので、「脳卒中のあと、痛みやしびれが残っている方」全体を対象にしています。
視床痛の方はもちろん、その他のタイプの後遺症の方の声も広く集めたいと思っています。
アンケートの目的は、
- 症状の傾向や特徴を知ること
- つらさを可視化すること
- 似た経験をしている方どうしの「気づき」や「安心」につなげること
です。
「痛み」は目に見えないからこそ
視床痛に限らず、どんな「痛み」でも、見た目にはわからないもの。
でも怪我をした部位の痛みは経験があるけれど、「脳が感じてしまっている痛み」って普通はみな経験がないからわからないもの。
だからこそ、「ただの我慢強い人」「大げさ」「気のせい」なんて誤解されがち。
でも、ほんとうに大変なんです。
身体の外ではなく、脳の奥からくるこの痛み。
誰にもわかってもらえないような孤独を感じることもあり、わたし自身、日々この痛みと折り合いをつけながら暮らしています。
幸いX(SNS)や患者の集まりなどを通じて、なかまに励まし励まされてはいますが、同じような経験をした人たちと情報を分かち合えたら。
長々とすみません汗
最後まで、読んでくださってありがとうございました。
アンケートができた際は、ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。